『マーキュリー・ファー　Mercury Fur』

東京→兵庫→福岡。3/8大千穐楽の『マーキュリー・ファー』

舞台って終わると、キャストさんたちはもう次へ向かっていってしまうけど

みていたこちら側は、同じく次へ～っていけるものと、ずるずると引きずってしまうものがある。

『マーキュリー・ファー』は完全に後者。もうずるずるとね。

さすがにもう2ヶ月以上経ったからずるずるとは引きずってないけどたまに思い出しちゃう。

2/9と2/20の2回だけしかみてないのであいまいな記憶しかないけど。

終わったからもう何言ってもいいよねーってことで、思いの丈をば。解釈は人それぞれなのでね。

キャストのみなさんはもちろんのこと、みているこちら側も疲れる舞台だった。

高橋一生さんには『余計なお世話』と言われてしまうけど

（アフタートークで言ってた）それでも心配しちゃう。

内容が重いだけではなく、舞台上の時間を客席も共有。

暗転して『はい！朝です』とか『はい！3年後です』とかではなく、

暗転無しで場面転換も無しで2時間強同じ時間を過ごしたからね～

外からの光が入ってきて、じわじわと変化し、いつの間にか暗くなってのラスト。

最後まで集中してみてたな。疲れた。ぐったり。すぐに席立てなかった。

タイトルの『マーキュリー・ファー　Mercury Fur』

Mercuryは水星。太陽に最も近く、太陽系惑星の中で大きさも質量も最小。

Furは(ウサギ・テン・ビーバーなどの柔らかい毛の)毛皮。

ダレンが最後の方で『優しくてあたたかい星、ひとつくらいあるよ』って言ってたけど、

あたたかい星が水星なのかな。

Furはいまいちどう捉えていいのかわからない…

ふわふわでやさしく包まれるかんじなのかな。それとも動物を殺して加工するとかの方向か？

でも、毛皮はスピンクスも姫も着てたから、親のイメージとかかな。うーん。

膨大な数の星の中からの、ひとつくらいあるよ。ってもうね。

そんなにつらい暮らしをしているのかと思うと…

1回目みたときは【バタフライ】はただの幻覚作用のある麻薬のようなものだと。

まあそうなのだけど、2回目みたあと。劇中のセリフがぐるんぐるんして。

たくさんの飛行機が飛んできて…

砂とともにバタフライが…

最初の【バタフライ】は白。と、みんなは言うけど。

本当は銀色の斑点で水色。水色じゃなかったかもだけど、白ではない色だった。

2つ目に出てきた、ゴールドの斑点で白だっけ？白の斑点でゴールドだっけ？

これも色違うかもだけど、それだけ唯一食べた兄・エリオット。

これ以後は【バタフライ】を口にしない。

この【バタフライ】は気持ちがよくなるやつだった。

それからどんどんひどくなり最近出てきた【バタフライ】は黒。とみんなは言うけど。

本当は群青色と●色の合わさった色。何色か聞き逃したけど、黒ではない色だった。

これは、食べた人を自殺させる。

【バタフライ】ってもしかして麻薬ではなく兵器のようなものなのかなと思った。

たくさんの飛行機というか戦闘機？で、砂とともに【バタフライ】という兵器を撒いたのでは…

最初気持ちよくさせ、どんどんまひさせ、これ無しでは生きていけなくして最後は死。

うーん。わからないけどなんかそんな風に思ってしまった。

【バタフライ】が大量に飛んできて～ってなんかちょっとファンタジー？？ってかんじだったけど

兵器だと思うと恐怖しかないわ。弟と生きるためにそれを売るエリオットとか…

あと、みんなは白や黒と言うけど、本当は複雑な色なのは何を意味しているんだろ。

記憶がしっかりしているエリオットだけが実際の色を覚えているんだよね。

途中『この頭ん中からいいこと全部叩きだしてやりてえよ　いい思い出が俺を苦しめる』

って言うエリオット。つらいね。すぐにでも【バタフライ】に手をのばしたいだろうに。

狂ったほうが楽だよね。

黒い【バタフライ】で死ぬのではなく、自分の意思で死ねるのだと。

だからエリオットは、自分だけでもしっかりしていないとってことなのかな。

もしものときは自分の手で弟やローラを…

急遽早まったパーティーの全ての真実を知ったあと

パーティーゲストも撃ち殺され、もう救いがなくなったとわかった後の兄弟の雰囲気が逆転…

ダレンの意識が段々とハッキリしてきたのか、その逆に呆然と立ちすくむエリオット。

撃ち殺したゲストを移動させるときも、ダレンに『足持って』と言われてから動くエリオット。

パーティーの後はその場に火をつけて全て燃やすのだけど

ダレンに『ガソリン！』って言われてからあわててガソリンをまくエリオット。

最初のシーンの何もできない弟に色々と文句言いながらやることを促していた兄とは思えない。

ここの変化から一気にラストまでのエリオットの様子、一生さん秀逸。

ラストシーン。たくさんの戦闘機の音。爆撃音。

銃口を自分の喉や口の中に入れて撃とうとするエリオット。

その手を払って止めさせ、生きなきゃだめだと言うダレン。

聞く耳を持たないで銃口をダレンに向けようとするエリオット。

その手をまた払って後ろから抱きしめて『愛してる』とダレン。

向かい合って今度はダレンの頭に銃口を向けるエリオット。何度もそれを払うダレン。

暗転とともに銃声。

最初の兄弟の会話で

『エリオットは弟がいなければもっと立派になれた』などとみんなに言われてるってあったけど

【バタフライ】で弟を薬漬けにしてそばにおいておきたかったのではないかなって思ったのは

このラストの兄弟をみて。

ダレンは強くて、エリオットは弱いのではないかなと。

弟は俺がいないとだめだと思いながら強くみせていたのではないかなと。

そう思ってまた最初からみるとまた違ってみえるのかも。あーもうみたくないけどもう一度みたい。

ラストの演出だけど、2回目観たときは、暗くなって一回パッと明るくなってまた暗転してからの

銃声だったような気がする。記憶があいまいー。

東京の楽日は銃口をダレンに向けなかったってつぶやきをみかけたのだけど。

それだと銃声はなかったのかな？

そのときも一回明るくなったのかな？

この一回明るくなるのはなんだろ。希望なのか絶望なのか。

一生さんがインタビューで『これは希望の物語だということです。

俳優として、希望の物語にしなくてはいけないのだという使命を感じました。

お客様に少しでも伝わればと思います』っておっしゃっていたので、希望なのかな。

2回みて気付いてびっくりしたこと。

ダレンは金槌で頭を叩かれたので傷がある設定で、途中ナズに見せたりするのだけど

瀬戸くん本当に毛を剃ってるのかな？10円ハゲみたいなのがチラチラ見えてぎょっとした。

ナズ役の水田くんもよかったなー。

ナズが殺される！とわかった瞬間、ナズはだめー！やめてー！！と思った人は多かったはず。

パーティープレゼントのあの子はよくて(いいわけじゃないけど)ナズはやめてと。

短時間だけど、そう思わせるナズの人柄。【バタフライ】がもらえるからという理由はあったとしても

何も疑わず2人の手伝いをするし、姫への接し方もスマート。

きっとちゃんとした環境で育てば…

ってそれはエリオットもダレンもスピンクスもローラもみんなそうか。

基本みんないい子だよね。

気になってた年齢設定。

戯曲を読まれた方が年齢設定をつぶやいていたのをみたけど、思っていた以上に若かった。

本当は戯曲読みたいけど、英語・・・・・なので、ネットで検索検索。

結構前の海外のオーディションのページだけど、年齢設定に役柄も書いてあった。

http://www.theatreinchicago.com/auditions/industrydetail.php?AuditionID=2219

エリオット・19歳　ダレン・16歳　ナズ・15歳　ローラ・19歳　スピンクス・21歳　姫・38歳

パーティーゲスト・23歳　パーティープレゼント・10歳

エリオット未成年で、ローラは男の子て。ゲストが23歳なのもびっくり。

これでマキュファ納めにしようと思ったけど、より深く潜ってしまったような気も。

またふら～っと思いだすのだろうな。それくらい衝撃的な舞台でした。

この舞台に関わった方、皆様お疲れさまでした。

【出演者さんの東京楽のブログなどなど】

瀬戸康史さん　『東京ラスト』

　　http://amba.to/17n4vMK

水田航生さん　『シアタートラムさんありがとう^_^』

　　http://amba.to/1FKYSXs

小柳心さん　　『マーキュリー・ファー東京千穐楽』

　　http://amba.to/1EH0nCn

小川ゲンさん　@negawago

2月22日をもって、シアタートラムでの『マーキュリー・ファー』東京公演を無事終えることができました。皆様、ありがとうございました。世界中の人に見てもらいたいくらいですが、残すは28日の兵庫、来月8日の福岡での2公演です。
— 小川ゲン (@negawago) 2015, 2月 25

半海一晃さん　『満員御礼。』

　　http://amba.to/1xbRsEE

千葉雅子さん　‏@nekohote（猫のホテル）

「マーキュリーファー」東京千秋楽をむかえれました。あの２時間に立ち会って、ともに戦っていただいたお客様。ありがとうございます！！心より感謝です。そして、兵庫へ。さらに、磨いて。（ちば）
— 猫のホテル (@nekohote) 2015, 2月 23

【出演者さんの大千穐楽のブログなどなど】

瀬戸康史さん　『マーキュリー・ファー Mercury fur』

　　http://amba.to/1CPivNa

中村中さん　　『春の贈り物。』

　　http://ataru-atariya.com/contents/message/7475.html #ataru

水田航生さん　『ものすごく愛してる。』

　　http://amba.to/1GBmnCO

小柳心さん　　『『マーキュリー・ファー』大千穐楽』

　　http://amba.to/1wUU0wm

小川ゲンさん　@negawago

遅くなってしまいましたが…3月8日福岡にて、舞台『マーキュリー・ファー』は大千秋楽を迎え無事全日程を終えることができました。素晴らしい戯曲と尊敬すべき方々、居合わせてくださった皆様、そしてプレゼントくん、出会えて幸せでした。本当に、ありがとうございました。
— 小川ゲン (@negawago) 2015, 3月 12